編集者ノート:人は「仕えたこともない主人を,どのようにして知ることができようか」(モーサヤ5:13)大切な人の教えやアドバイスに従順になることをJAX自身の話を通してわかりやすく、そして感動的に教えています。
JAXは脚に自信があります!
小学生の頃から地域の陸上クラブで県代表選手、中学校では全国大会で3位、高校インターハイはベスト12位、大学時代は日本選手権に出場…
つい此間だって、息子の幼稚園の運動会で2人も抜いたんだからw
「お疲れ様!」
誰かが声をかけてくれる度に思い出す。
中学時代の陸上成績が認められたわたしは、高校はスポーツ推薦にて名門校に入学。専属のコーチが付き、管理されたグランドの中で、 日本を代表する選手たちと共に練習に励む…こんなに恵まれた環境って、そうないよねって今では思う。
コーチの話を聞かなかったが…
入学してしばらくは、コーチの話を全く聞かなかった。自分で練習を組みたてる事ができたし、自分に甘い訳でもない。その方法で実績を積んできたし、現に記録も伸びていた。これで自分は十分なんだって。高校2年が終わるころ、記録が思うように伸びず、悩み苦しむ自分がいた。
「お疲れ様!」
レースが終わるたびに声をかけるコーチに苛立ちさえ覚えた。次第に気性も荒れ、言動や行動にも乱れが出てきた。高校3年を迎えたある日、学校の校則を守らなかったことで、問題となった。監督に呼び出され、今シーズンの出場停止処分を受ける。その数週間後には、高校最後の競技に繋がる大切な試合を控えていた時、「なんて愚かなことをしたのだろう…」後悔しても、状況は変わらない。今大会は見送らざるを得なかった…
「ちょっとついてきなさい」
コーチが腕を引っ張り、監督室にわたしを連れて行こうとした。その片手には確かにバリカンを握っているのが見えた。「丸坊主にして許しを請うのか…」気持ちの整理もつかないまま監督室へ。入るとすぐコーチが監督の目の前でバリカンに電源を入れた。
哀れな自分に言葉も出ず、現実逃避に目を瞑ろうとしたその時、コーチが自分の髪を、自分で剃り落としているのを見た。黙って、肩まで伸びた自分の髪を、落としているのを見た。コーチは女性だ。
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この記事はペンネームJAXによりかかれ、Keepers of Lightsに投稿されたものです。
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