名前は、わたしたちが存在する上で大切なものです。わたしたちは人と会話をするときに、毎日名前を使います。極めて少数の者は、神によりこの地上での名前が与えられました。以下は、聖典で見られるいくつかの例の一覧です。
1. アダム
この名前はおそらく、明々白々な証拠となるでしょう。結局のところ、この地上に生まれた最初の人に、神をのぞいて他に誰が名前を授けることができたでしょうか?今もなおアダムの名前は大きな影響を与え、天の御父により慎重に選ばれました。
「また、すべての人の最初の者を、わたしはアダムと名付けた。すなわち、数多である」(モーセ1:34)。
2. アブラハム
聖書で一番名前が知られている預言者は、アブラハムでしょう。主が特別な聖約を彼と結ばれ、そのことにより新しい名前が与えられるまで、彼は『アブラム』と呼ばれていました。
「あなたの名は、もはやアブラムとは言われず、あなたの名はアブラハムと呼ばれるであろう。わたしはあなたを多くの国民の父とするからである」(創世記17:5)。
3. サラ
アブラハムの家族の中で、彼ただ1人だけが神から名前を変えられたのではありませんでした。彼の妻のサラも新しい名前を授けられました。
「神はまたアブラハムに言われた、『あなたの妻サライは、もはや名をサライといわず、名をサラと言いなさい』」(創世記17:15)。
4. イサク
子供が授からずにいたアブラハムとサラは、年老いていながらもやっとみごもったときに喜びました。神は、アブラハムに子供が生まれることを伝えるとともに、子供の名前も伝えました。
「神は言われた、『いや、あなたの妻サラはあなたに男の子を産むでしょう。名をイサクと名づけなさい。わたしは彼と契約を立てて、後の子孫のために永遠の契約としよう』」(創世記17:19)。
5. イシマエル
イシマエルは,アブラハムとサラのつかえめのハガルとの間に生まれました。異母兄弟のイサクのときと同様に、神の使いをとおして、神がイシマエルと名づけるよう言われたことを伝えました。
「主の使はまた彼女に言った、『あなたは、みごもっています。あなたは男の子を産むでしょう。名をイシマエルと名づけなさい。主があなたの苦しみを聞かれたのです』」(創世記16:11)。
6. イスラエル
後にイスラエルとよばれたヤコブは、イサクの息子でした。ヤコブは、父と祖父母のように主からイスラエルの名前を与えられました。この新しい名前は、「彼は神とともに守る」または「神は勝つ」という意味があります。彼の息子たちは、のちにイスラエルの十二支族として知られるようになりました。
「その人は言った、『あなたはもはや名をヤコブと言わず、イスラエルと言いなさい。あなたが神と人とに、力を争って勝ったからです』」(創世記32:28)。
7. マヘル・シャラル・ハシ・バズ
聖典の中で一番多くの実を結んだ預言者の1人であるイザヤは、神から名前を授けられた息子がいました。その名前は預言の一部でもありました。
「わたしが預言者の妻に近づくと、彼女はみごもって男の子を産んだ。その時、主はわたしに言われた、『その名をマヘル・シャラル・ハシ・バズと呼びなさい。それはこの子がまだ『おとうさん、おかあさん』と呼ぶことを知らないうちに、ダマスコの富と、サマリヤのぶんどり品とが、アッスリヤ王の前に奪い去られるからである』」(イザヤ8:3-4。マヘル・シャラル・ハシ・バズとは、「瞬く間に略奪する、獲物まで急ぐ」という意味)。
8. エズレル
ホセアには多くの子供がおり、子供たちに主から意味のある名前を与えられたもう1人の預言者です。彼の最初の息子がそうでした。
「主はまた彼に言われた、「あなたはその子の名をエズレルと名づけよ。しばらくしてわたしはエズレルの血のためにエヒウの家を罰し、イスラエルの家の国を滅ぼすからである」(ホセア1:4。エヒウは、アハブ王の家族がエズレルに住んでいたときに一家全員を殺した)
9. ロルハマ
ホセアの最初の娘もまた主から象徴的な名前を与えられました。
「ゴメルはまたみごもって女の子を産んだ。主はホセアに言われた、『あなたはその名をロルハマと名づけよ。わたしはもはやイスラエルの家をあわれまず、決してこれをゆるさないからである』」(ホセア1:6。ロルハマとは、「あわれみを受けない」という意味)。
10. ロアンミ
そして、ホセアの2番目の息子も神から名前を与えられました。
主は言われた、「その子の名をロアンミと名づけよ。あなたがたは、わたしの民ではなく、わたしは、あなたがたの神ではないからである」(ホセア1:9。ロアンミとは、「わたしの民ではない」という意味。)
11. バプテスマのヨハネ
バプテスマのヨハネもまた、神から名前を授けられた預言者として広く知られています。
「そこで御使が彼に言った、『恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈が聞きいれられたのだ。あなたの妻エリサベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名づけなさい』」(ルカ1:13)。
事実上、神がヨハネと名づけたこの話には、父親が物が言えなくなったり、彼の家族が父親の名前にちなんで名づけようとするなどの驚くべき出来事がありました。
「八日目になったので、幼な子に割礼をするために人々がきて、父の名にちなんでザカリヤという名にしようとした。
ところが、母親は、『いいえ、ヨハネという名にしなくてはいけません』と言った。
人々は、『あなたの親族の中には、そういう名のついた者は、ひとりもいません』と彼女に言った。
そして父親に、どんな名にしたいのですかと、合図で尋ねた。
ザカリヤは書板を持ってこさせて、それに『その名はヨハネ』と書いたので、みんなの者は不思議に思った」(ルカ1:59-63)。
12. イエス
聖典の中で、神に名づけられた名前の中でもよく知られており、また重要なものは神の子イエス・キリストでした。イエスは、エホバ、贖い主、救い主、インマヌエルを含む多くの名前で知られていますが、天使ガブリエルがマリヤに伝えた名前はイエスでした。
「主の使が夢に現れて言った『ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである』」(マタイ1:21)。
その他
以下は、厳密に言えばこの世に生を受けていたときに神から名前を授けられませんでしたが、彼らが生まれる前に、預言で神から名前を呼ばれた人々です。
ジョセフ・スミス
ジョセフ・スミス訳創世記50章には、彼の名前は、主の預言を成就する鍵であることが明らかにされています。
「わたしはその聖見者を祝福する。そして,彼を滅ぼそうとする者は打ち破られる。わたしがこの約束をあなたに与えるからである。わたしはあなたを代々思い起こそう。その聖見者の名はヨセフと呼ばれ,それは彼の父の名を取って付けられる。そして,彼はあなたのようである。主が彼の手によってもたらされるものが,わたしの民を救いに至らせるからである」(ジョセフ・スミス訳創世記50:33)。
モーセとアロン
エジプトのヨセフが生きていたときに、主は、まだこの世に生を受けていない、聖書に登場する重要な預言者2人の名前を含む預言をされました。
「主はヨセフに,彼の子孫をとこしえに守ると誓って言われた。『わたしはモーセを立てよう。杖が彼の手にあり,彼はわたしの民を集めて,羊の群れのように導き,また杖をもって紅海の水を打つであろう。
彼は能力を与えられ,主の言葉を書き記す。彼は多くの言葉を語らない。わたしが自分の手の指でわたしの律法を彼に書き与えるからである。また,わたしは彼のために一人の代弁者を備えよう。その代弁者の名はアロンと呼ばれる』」(ジョセフ・スミス訳創世記50章34-35)。
この記事はもともとJannalee Sandauによって書かれ、ldsliving.comに12 People Who Were Given Names by Godの題名で投稿されました。
スミス 寿子
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